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「信頼」ってなんだ?

2020/08/24   カテゴリー:

 

「信頼」されてない?ってどういうこと?

 

コラボワークスの経営方針「 “好きと生きる” の信頼から、生態系コラボレーションによって、価値の新しい可能性を生みだす 」の中に書いてある「信頼」。その「信頼」をYeLLの北村勇気さんが研究しているらしく、「信頼の構造」(山岸俊男著)という本を紹介してもらいました!
 
「信頼」していた人が、嘘をついていたとき、“あなたは「信頼」できない!” という言葉を発することがありますね。これは、どんな「信頼」を、失ったのでしょうか。「信頼」とは、辞書で調べると、漢字の通り“たよりにできるとして信ずる”ことなのですが、せっかくなので、この本を通じて思考投資してみたことを、コラムに書いてみます。

 

「信頼」は、いろんな解釈がある!

 

「信頼の構造」の本によると「信頼」の解釈は、いろいろあるらしいです。


引用:山岸俊男.「信頼の構造」東京大学出版会

 

① 自然の秩序に対する期待に対しての信頼
② 道徳的秩序に対する期待に対しての信頼
③ 能力に対する期待の信頼
④ 相手の意図に対する期待の信頼
⑤ 安心に対する期待の信頼
⑥ 信頼(≒人格的・人間関係的なものに対する期待)の信頼
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いっぱいあり過ぎて、国語の苦手な僕の読解力の能力を超えています。
 
山岸さんの論点は、⑤安心の信頼と⑥信頼の信頼を分けて考えるということらしいです。(全てが信頼なので、⑥だけ、信頼という言葉を使って書いているのがややこしい。)
 
⑤の安心の信頼とは、相手にとっての損得勘定にもとづく相手の行動に対する期待としての信頼。相手が自分を搾取する意図をもっていないという期待の中で,相手の自己利益の評価に根差した部分らしいです。
 
一方、
 
⑥の信頼の信頼とは、相手の人間性や行動特性の評価にもとづく相手の意図に対する期待としての信頼。相手が自分を搾取しようとする意図をもっていないという期待の中で,相手の人格や相手が自分に対してもつ感情についての評価にもとづく部分らしいです。
 
本に書いてあった例は、こちら…。車を売るセールスマンAさんがいるとしましょう。Aさんが中古車を販売するセールスマンの場合は、⑥の信頼の信頼より、⑤の安心の信頼の方が、気になります。なぜなら、事故車を高く売りつける可能性があるからです。一方、Aさんが、新車を販売するセールスマンなら、⑤の安心の信頼より⑥の信頼の信頼の方が、気になるかもしれません。なぜなら、新車は品質が担保されていて、期待に近いものを売ってくれる可能性があり、安心が担保されているからです。

 

なんと、日本人は他人を信頼していない!

 

この本では、もう一つ興味深いことが書いてありました。⑥の信頼の信頼を日米で比較すると、日本人よりも米国人の方が⑥の信頼の信頼をしている人が多いという結果でした。日本人は簡単にいうと他人を信頼していないそうです。日本人は、⑤の安心の信頼で他人を信頼しているのかもしれません。島国なので、他人の目が気になり、自分だけ人から搾取をして、自分だけが利益を得るということをあまりしない文化が影響している可能性があります。
 
山岸さんは、⑤の安心の信頼があると、⑥の信頼の信頼は、必要なくなると言っています。反対に、⑤の安心の信頼がないと、つまり、搾取される不安定な社会だと、⑥の信頼の信頼が育まれるそうです。そして、⑥の信頼の信頼の能力が上がり、騙されなくなるそうです。面白いですね。日本人は、騙されやすいということでしょうか(笑)。

 

他人を信じるために必要なもの?

 

山岸さんは、⑥の信頼の信頼のことを、こう言ったりしています。それは、「相手の人格や相手が自分に対してもつ感情についての評価」だそうです。言い換えれば、⑥の信頼の信頼は、③の能力に対する期待の信頼、⑤の搾取をしない安全に対する期待の信頼、以外のものと推論できます。その⑥の信頼をするために、何が大切なんでしょうか。山岸さんは、「社会的知性」が大切だと言っています。
 
山岸さん曰く、「社会的知性」は、「ぼーっと何もしないでいれば,他者の信頼性を見抜くのに必要な社会的知性が身につくことはない」、「注意をまわりの人々に払う行動」だと言っていますが、それは、今の自分の行動を、どう変えれば良くなるのか、理解に苦しみます。

 

サイボウズの行動指針から見える「社会的知性」とは?

 

サイボウズが行動で大切にしている方程式があります。「信頼」=「覚悟」×「スキル」です。山岸さんの「相手の意図に対する期待」/「能力に対する期待」に近いかもしれません。この話を社長室の朝会のザツダンで話をしたところ、青野さんから、思いもかけぬ解説がされました。

 

“この方程式は、サイボウズの理念である「チームワークあふれる社会を創る」を目的にした信頼ですよ。” と…

 

そうか、「信頼をわかりやすくするには、そのための目的を定義するといいんだ!」。その目的を成就するための期待の信頼として③の能力、⑤の安全、⑥の信頼の信頼(③、⑤以外の人格的・人間関係を評価する信頼)とすれば、シンプルでわかりやすいです。すなわち、「社会的知性」は、「なんのために、たよりにし、信じるのかを知ったり、考えたり、判断したりする能力」なんだと…。それを思うと、日本人が、米国人に比べ他人を信頼しないというのも、なんとなく納得がいきますね。なぜなら、僕は、日本人が、信頼するための目的を意識して信頼していることが比較的少ないと考えるからです。

 

これからますます必要な「信頼」の目的

 

さて、「信頼」に思考投資してきましたが、いかがでしたでしょうか。新型コロナで今までの社会秩序が不安定になる世界。「信頼の構造」に書いてあった不安定ほど、⑥の信頼の信頼が、必要となってくることを肯定すれば、これまで以上に、「信頼」の「社会的知性」、すなわち、「なんのための期待に対する信頼なのかの目的を認知する能力」が、問いただされている時代と想像できます。
 
コラボワークスは、経営方針 “好きと生きる” の信頼…の “好きと生きる” という目的を、クライアントごとに咀嚼、共有し、価値の新しい可能性を生みだしていきたいです。

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